通度寺(トンドサ)は、慶尚南道・梁山(ヤンサン)の霊鷲山(ヨンチュィサン)の南麓にある寺で、釈迦牟尼の真身舎利を祀っていることから仏宝寺刹と呼ばれています。そのため、大雄殿の中には仏像がなく、代わりに建物の裏にある金剛戒壇に向かって礼拝を行います。海印寺(ヘインサ)、松広寺(ソングァンサ)とともに韓国の三宝寺刹に数えられ、2018年に「山寺、韓国の山地僧院」のひとつとしてユネスコ世界遺産に登録されました。
646年(善徳女王15年)、唐から戻った慈蔵律師(チャジャンユルサ)が創建したと伝えられています。慈蔵は、唐から持ち帰った仏の舎利と袈裟を金剛戒壇に祀りました。僧になろうとする者は皆、この戒壇で戒を受けるという意味から「通度」という名前が生まれたという説明もあります。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)で焼失した寺は、1601年以降、何度も再建されました。現在の大雄殿は、垂木から見つかった墨書銘により1645年に建てられたことが分かり、金剛戒壇とともに国宝に指定されています。朝鮮戦争のときには、負傷した兵士を治療する野戦病院として使われたこともあります。
一柱門は、横から見ると柱が一本のように見えることからついた名前で、俗世と仏の世界を分ける境界です。天王門では四方を守る四天王に出会い、不二門を過ぎると、仏と衆生、善と悪を分けない世界に入るという意味が込められています。霊山殿(ヨンサンジョン)の壁画は2011年に宝物に指定され、高麗時代の銀象嵌の香炉もこの寺の有名な宝物です。1,300年あまりのあいだ法灯が消えなかったという話も伝わっています。
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