蔚山が「産業の首都」と呼ばれた1970〜80年代、市街地の中心だった中区城南洞(ソンナムドン)一帯は、人と店でにぎわう旧市街でした。商圏が新市街へ移った後、この通りにギャラリーや小劇場、工房が入り、長さ約1kmの文化の通りになりました。週末には路上でアートフェアやバスキングが開かれ、路地のあちこちに昔の蔚山の物語を込めたモニュメントが隠れています。
文化の通りは、蔚山東軒(トンホン)と客舎の跡、蔚山市立美術館を中心に、ギャラリー、小劇場、カフェ、食堂が続く通りです。地元の作家たちが作品をつくり、展示し、販売するスペースが集まっていて、大きな美術館とは違う小さな展示を巡る楽しさがあります。毎週末、アートフェア、バスキング、ストリート展示、音楽会などが開かれ、市民と作家が路上で直接出会います。
2022年1月にオープンした蔚山市立美術館は、蔚山東軒のすぐ隣にあります。韓国の公立美術館として初めて没入型メディアアート専用の展示館を備えていて、文化の通りの散歩とあわせて立ち寄るのに向いています。
文化の通りは、旧市街を巡る蔚山クネギ物語の道の出発点です。城南洞の文化の通りから中央洞行政福祉センターまでの2.5kmの「蔚山クネギ道」、トクタク道(チクタク道)と青春コボクス道を通って時計塔まで1.6kmの「思い出の道」、蔚山邑城一帯の約800mの「邑城道」の3区間で、すべて歩くのに約2時間かかります。観光案内所の蔚山クネギハウスから出発すると便利です。
思い出の道のトクタク道(時計の音を表す擬音語)は、時計の秒針の音から名前をとった狭い路地です。1990年代以降は人通りが絶えて危ないとまで言われましたが、植木鉢や壁画で飾られてから、ふたたび人が通るようになりました。続く約150mの青春コボクス道は、〈他郷暮らし〉(タヒャンサリ)を歌った蔚山出身の歌手、高福寿(コ・ボクス、1911〜1972)をたたえる通りです。
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