加平(カピョン)の恋人山(ヨニンサン)は、名前からして由来のある山です。もともと決まった呼び名がなかったため、加平郡が名前を公募し、1999年から「愛が実る場所」という意味を込めて恋人山(戀人山)と呼ばれています。標高1,068mの頂上と清らかな龍湫渓谷(ヨンチュゲゴク)、5月に稜線を覆うヤマツツジのおかげで、首都圏から近い渓谷の登山地として親しまれています。
恋人山は2005年に道立公園に指定され、2018年から京畿道が直接管理しています。恋人山を中心に、明智山(ミョンジサン)・カルボン・メボンなど1,000m前後の峰が連なり、頂上から流れ落ちた水が龍湫渓谷をつくっています。公園内では炊事と野営が禁止されているため、渓谷と森は比較的きれいな状態が保たれています。
2025年7月の集中豪雨で龍湫渓谷の探訪路が大きく流されて閉鎖されましたが、復旧を終え、2026年9月11日に全区間9.2kmが再開されました。復旧の過程で斜面をなだらかに整え、自然石で水辺を補強したため、以前より安全になりました。
頂上まで登るには、加平の白屯里(ペクトゥンニ)、馬日里(マイルリ)、龍湫渓谷側から上る登山道を利用します。頂上までの登山は、1日の行程で計画するのがおすすめです。
恋人山の象徴は、標高700mより上の稜線に自生するヤマツツジの群落です。たいてい5月中旬〜下旬に満開になり、恋人・友情・長寿・清風の各稜線で特によく見られます。秋には渓谷沿いが紅葉し、春とは違った雰囲気を楽しめます。
恋人山は、京畿地域の地中深くで遠い昔にできた黒雲母片麻岩でできています。縞模様のある硬い岩が長い年月をかけて水に削られ、龍湫渓谷の広い岩と澄んだ淵をつくりました。渓谷を歩きながら岩の表面の縞模様を見てみると、この山がどれほど古い大地なのかを実感できます。