天地淵瀑布は、西帰浦(ソギポ)市街の近くにある渓谷の奥で、高さ22mの水が深い滝つぼへ落ちる滝です。「天と地が出会ってできた池」という名のとおり、黒い断崖と濃い常緑樹の森の間を落ちる水音が、渓谷いっぱいに響きます。入口から滝までは平らな遊歩道が続いていて誰でも気軽に行けるうえ、夜10時まで開いているため、ライトアップされた滝を見られるのも、ほかの滝とは違うところです。
滝の幅は約12m、下の滝つぼの深さは約20mです。断崖は火山活動でできた粗面岩質の安山岩でできており、渓谷は長い時間をかけて水が堆積層を削ってできました。こうした成り立ちがよく分かる場所なので、天地淵瀑布はユネスコ世界ジオパークに認定された済州島(チェジュド)を代表する地質スポットのひとつに数えられています。水が常に落ちる場所は決まっていますが、大雨の後は水が広く流れ落ち、まったく違う表情を見せることもあります。
滝までの道のりも、それ自体が見どころです。渓谷の両側の森は「済州天地淵暖帯林」として1993年に天然記念物に指定されました。シイ類、ツバキ、タブノキといった暖かい地方の常緑樹やさまざまなシダが、びっしりと茂っています。
昼は緑の森と澄んだ滝つぼが調和した姿が美しく、日が暮れると断崖と水の流れにライトが当たり、雰囲気がまったく変わります。そのため、西帰浦に泊まる旅行者が夕食後の散歩がてらもう一度訪れることもあります。天帝淵瀑布、正房瀑布(チョンバンポクポ)とともに済州島を代表する滝とされているので、西帰浦周辺の日程を組むときは、3か所を並べて比べてみるのもよいでしょう。
チケット売り場から滝までは、渓谷に沿って歩く短い遊歩道です。道の入口には済州の伝統的な筏テウが置かれ、滝の手前では小さな橋を渡ります。橋の下に錦鯉が集まってくる様子も見られます。道端のあちこちに、小さな石を大きな石の下に支えて積み上げた石積みがあり、昔はこうして石を積みながら家族の健康と平安を祈ったそうです。滝の前の滝つぼの水位は、下流につくられた小さな堰2つで一定に保たれています。大きな玄武岩の岩が滝つぼの手前まで続いているので、滝を正面から眺めながら写真を撮るのにぴったりです。