全州(チョンジュ)の北、八福洞(パルボクトン)の、広く流れる全州川(チョンジュチョン)のほとりの岩の上に、丹青を施した東屋が1棟立っています。楸川台(チュチョンデ)は、朝鮮の成宗の時代に兵曹参判や大司憲を務めた李瓊仝(イ・ギョンドン)が、官職を退いて故郷の前を流れる小川「楸川」で釣り糸を垂れながら晩年を過ごした場所です。マンション団地や道路が近い都心ですが、水辺の東屋と石碑が調和した静かな憩いの場なので、川辺の散歩やサイクリングの途中に立ち寄るのにぴったりです。
李瓊仝は1462年(世祖8年)に科挙に及第して官職に就き、成宗の時代には、国防を司る兵曹の参判と、官吏の過ちを糾す司憲府の長官である大司憲まで務めました。官職を終えた後は故郷に戻り、家の前を流れる楸川で釣りをしながら余生を過ごしたと伝えられています。
それから400年余りが過ぎた1899年(光武3年)、子孫の李廷鎬(イ・ジョンホ)が、先祖の足跡が残るこの場所を記念しようと東屋を建て、「楸川台」という名前をつけました。大韓帝国時代に建てた比較的新しい東屋ですが、15世紀の人物の物語を宿しているところが興味深いです。1984年には全羅北道の文化財資料に指定されました。
東屋の近くには、楸川台にちなんで名づけられた楸川台橋が全州川に架かっています。旧全羅線の線路がこの橋のすぐそばを通っていたそうで、今の道路や堤防の下に、線路があった頃の風景を思い浮かべてみるのも楽しいでしょう。この一帯の全州川は、万頃江(マンギョンガン)へ注ぐ下流区間で、川幅が広く、川沿いにサイクリングロードと散策路が分かれています。