東鶴寺(トンハクサ)は鶏龍山(ケリョンサン)の東の谷にあるお寺で、韓国でもっとも古い尼僧のための僧伽大学がある場所です。西の甲寺(カプサ)とともに鶏龍山を代表するお寺で、春には入口まで続く桜並木に多くの人が訪れます。境内に高麗と朝鮮の忠臣を祀る祠堂があるのも、ほかのお寺とは違うところです。
伝えられるところでは、新羅の時代に上願祖師(サンウォンジョサ)が鶏龍山に庵を結んで修行し、弟子の懐義和尚(フェウィファサン)が724年に塔とともにお寺を建てました。名前の由来は二つ伝わっています。お寺の東にある鶴の形の岩に由来するという説と、東方性理学の始祖とされる鄭夢周(チョン・モンジュ)を祀ったことに由来するという説です。
朝鮮が建国された後、高麗の臣下だった吉再(キル・ジェ)がここに壇を築いて高麗の王たちと鄭夢周の魂を慰め、のちに三隠閣(サムナムガク)となりました。金時習(キム・シスプ)は、端宗の復位を企てて命を落とした死六臣の魂を呼ぶ祭祀を、ここで行ったといいます。朝鮮末に、この祠堂は粛慕殿という名前を得て、今も端宗と忠臣を偲ぶ祭祀が続いています。お寺は1728年の火災と朝鮮戦争で焼けた後、再建されました。
1860年に開かれた尼僧の講院は、今日の東鶴寺僧伽大学につながり、約150人の尼僧が学び修行する場所として知られています。近代の禅仏教を再興した鏡虚(キョンホ)和尚が、初期に修行して悟りを得たお寺でもあります。
東鶴寺から山道をさらに登ると、兄妹の伝説が息づく男妹塔(ナムメタプ)があります。東鶴寺の入口から出発し、男妹塔、三仏峰(サンブルボン)、観音峰(クァヌムボン)を経て、銀仙瀑布(ウンソンポクポ)に下りる道は、鶏龍山の代表的な登山コースです。お寺だけで帰るのが惜しければ、男妹塔までだけでも歩いてみてください。