済州の西帰浦市安徳面、大坪里の海辺の村の裏手にそびえる軍山オルムは、海抜334.5mで、済州南西部でも屈指の大きなオルムです。オルム(岳)とは、済州の言葉で、漢拏山のふもとのあちこちにそびえる小さな火山の丘のことです。軍山オルムは頂上近くまで道が通っているので、長く歩かなくても、漢拏山と山房山、海と大静の野原が一度に見渡せます。息を切らして登山をしなくても、済州の南西の風景を大きく眺めたいときに選びやすい場所です。
軍山(クンサン)という名前は、山の形が軍隊の張った天幕、つまり軍幕のように見えることから来ていると伝わります。中国の山が飛んできて座ったという伝説とともに、はじめは「西山」と呼ばれていたという話も残っています。火山の噴出物が積もってできたオルムで、周囲は約8.1kmにおよび、最初に噴火した時期を約91万7千年前と推定されるほど、済州のなかでも古いオルムに入ります。頂上部には岩が2つ角のようにそびえていて、龍の頭に似ているという人もいます。
2023年のドラマ**『ウェルカム・トゥ・サムダルリ(サムダル里へようこそ)』**で、主人公のサムダルが、どん底まで落ちたあと故郷に戻り、自分を取り戻そうと歩いた道が、まさにこのオルムです。ドラマの舞台である済州の南西の海辺の村の雰囲気を、頂上の稜線でそのまま感じられるので、ロケ地を訪ねてくる人も多くいます。
オルムは、漢拏山のふもとのあちこちにそびえる小さな火山体を指す済州の言葉です。済州にはこうしたオルムが360以上点在していますが、軍山オルムはそのなかでも体が大きく、頂上からの眺めが爽快なほうです。頂上近くに軍山オルム駐車場とトイレがあるので、オルムを初めて登る人や、子ども連れの旅行者でも気軽に訪ねられます。時間に余裕があれば、下の大坪里の村から歩いて登ってみてください。登るにつれて、野原と海が少しずつ広がっていく様子が見られます。
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