聖水洞(ソンスドン)は、かつて靴の工房や印刷所、自動車整備工場がぎっしり並んでいたソウル東部の準工業地域です。赤レンガの工場や倉庫がカフェやギャラリー、ポップアップストアに姿を変え、今ではソウルでもっとも変化の速い街のひとつといわれています。すぐ隣のソウルの森(ソウルスプ)とあわせれば、自然と1日のプランが組み上がります。
聖水洞は城東区(ソンドング)に属する町で、漢江(ハンガン)と中浪川(チュンナンチョン)が合流する場所にあります。法定洞は聖水洞1街と聖水洞2街に分かれ、小さな工場が集まる準工業地域と住宅街が混在しています。名前の由来には二つの説があります。ひとつは、昔の亭「ソンドクジョン」と「トゥクト水源地」の頭文字をとったという説、もうひとつは、漢江の水を飲み水にしていた水辺の村で、「清らかでありがたい水」という意味から来たという説です。1949年にソウル城東区に編入される前は、京畿道高陽郡のトゥクト面に属していました。
変化の出発点としてよく挙げられるのが、赤レンガの倉庫をそのまま生かしたテリム倉庫(大林倉庫)です。古い倉庫のレンガや色あせた看板、広い室内をそのまま残しながら、展示やファッションショーが開かれる空間に生まれ変わり、その後、演舞場通り(ヨンムジャンギル)一帯に倉庫型カフェが次々と登場しました。今も自動車整備工場や印刷工場が稼働する路地のあいだにベーカリーやセレクトショップ、複合文化施設が混在していて、ほかの繁華街とは違う雰囲気をつくっています。2020年代に入ると、短期間だけオープンするポップアップストアが集中する街となり、「ソウルのブルックリン」というあだ名もつきました。