洪川(ホンチョン)の孔雀山(コンジャクサン)の麓、広い岩と澄んだ淵が続く渓谷の入口に、水唫寺(スタサ)があります。嶺西(ヨンソ)内陸でも指折りの古刹で、朝鮮後期の大寂光殿や、泥で作った四天王像、世宗の時代に刊行された『月印釈譜』といった宝物が伝わっています。寺を見たあと、渓谷の散策路や生態の森まで続けて歩けるので、春川(チュンチョン)や洪川の旅の途中に半日立ち寄るのにぴったりです。
寺の起源については、資料によって少しずつ異なります。新羅の聖徳王7年(708年)に元暁大師が建てたともいい、元暁が雨積山(ウジョクサン)に日月寺を建てたあと、1569年(宣祖2年)に今の孔雀山の場所に移して、名前を水唫寺に変えたともいいます。壬辰倭乱(文禄の役)のときに建物がすべて焼け、1636年(仁祖14年)に孔岑大師(コンジャムデサ)が再建して、今に至っています。
孔雀山(887m)は、山の姿が孔雀が羽を広げたようだということから名づけられました。寺の前を流れる水唫寺渓谷は、水唫寺から東面(トンミョン)の老川里(ノチョンニ)まで約12km続き、広い岩盤と大きな淵が次々と現れます。渓谷沿いの平らな大岩には、訪れた人たちが積んだ小さな石塔がびっしりと並んでいます。水唫寺から水唫橋、龍潭(ヨンダム)を経て老川里のムルコルまで歩く約8kmのコースは、4〜5時間かかります。