木浦(モクポ)港を見下ろす儒達山(ユダルサン)の麓、西山洞(ソサンドン)の丘には、車が1台入るのも難しい路地と階段が、クモの巣のように入り組んでいます。塀という塀に、住民と詩人が書いた詩が掛けられていることから「詩画村」と呼ばれ、丘の頂上の広場は「ボリマダン」といいます。映画『1987』のヨニの家のスーパーが、この路地にあります。
西山洞は、木浦港のすぐ裏の丘に、海辺の人々が集まって暮らしていた典型的な漁村です。頂上のボリマダンに立つと、階段状に下る屋根の向こうに港と海、島々が広がり、明け方には漁船が海へ出ていく姿が見えます。ボリマダン(麦の広場)という名前は、昔この丘に麦畑があったという話と、麦を脱穀していた広場だったという話が、ともに伝わっています。
村の多くの建物が、数十年前の姿のまま残っています。日本統治時代には、丘の下に日本人向けの遊郭の通りがあり、そのころに建てられた建物が1棟、今も残っています。都市再生事業で路地が整備されましたが、今も住民が暮らす町であることを覚えておいてください。
詩画路地は、西山洞の住民が自ら書いた詩と、木浦で活動する詩人10人あまりが西山洞をテーマに書いた詩で飾られた路地です。詩を刻んだ木版画と花の鉢が路地のあちこちに置かれ、海釣りや漁船、昔の村の風景を描いた壁画が続きます。急な階段を上り下りしながら詩を1編ずつ読んでいくと、この村の人々が海とともに生きてきた物語が、少しずつ見えてきます。
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