北岳山は、景福宮と旧・青瓦台のすぐ裏にそびえる、高さ約342mの花崗岩の山です。朝鮮時代には白岳山と呼ばれ、漢陽都城の北の主山として、漢陽都城の城郭が稜線に沿って続いています。1968年以降、長いあいだ立ち入りが禁止されていましたが、段階的に開放され、2022年4月に全面開放されました。城郭に沿って歩くと、光化門(クァンファムン)一帯と北漢山(プカンサン)が一度に見下ろせます。
北岳山は、景福宮の鎮山であり、漢陽都城の起点です。東の峠に粛靖門(スクチョンムン)、西の麓に彰義門があり、南東の麓には三清公園(サムチョンコンウォン)があります。朝鮮時代の人々は、北岳の形が火の気を帯びていると考え、光化門の前に獬豸(ヘチ)像を立てるなど、火災を防ぐ風水的な対策を取りました。
1968年1月21日、北朝鮮の武装ゲリラが青瓦台を襲撃しようとした事件のあと、山は軍事保護地域になりました。2006年4月1日に粛靖門の区間が先に開放され、2020年11月1日に北側、2022年4月6日には南側まで開放されて、東西南北のさまざまな入口から登れるようになりました。2009年には、「ソウル白岳山一帯」という名前で名勝に指定されています。
全面開放後に新しく開いた南側の探勝路では、長いあいだ人の足が入らなかった森と岩に出会えます。新羅の真平王の時代に建てられたと伝わる法興寺跡には、蓮の花の文様の礎石が残っており、万歳東方薬水場の岩には、国の繁栄と王の長寿を祈る「万歳東方聖寿南極」の文字が刻まれています。軍の将兵が休んでいた渓谷の昔のプール跡や、燭台岩の休憩所も通ります。青雲台の展望台からは、晴れた日には遠くロッテワールドタワーまで見えます。
朝鮮時代、この山は白岳のほかに、面岳(ミョナク)、拱極山(コングクサン)などとも呼ばれました。2009年に名勝に指定された際には、漢陽の北の主山として都城を定めた原理を示していること、景福宮の裏庭のように松を中心に整えた朝鮮の景観が残っていることが、高く評価されました。山には、樹木81種を含めて208種の植物が育っています。