忠州湖の上にそびえる岩の峰が水に映ると亀の甲羅のように見えることから、「亀潭(クダム)」、つまり「水の中の亀」という名前がつきました。丹陽八景のひとつで、遊覧船から見上げることも、山道を登って湖を見下ろすこともできます。
丹陽八景は、丹陽の南漢江(ナマンガン)の水路と渓谷に沿って続く八つの絶景で、島潭三峰(トダムサムボン)、石門(ソンムン)、亀潭峰、玉筍峰、舎人岩(サインアム)、下仙岩(ハソンアム)、中仙岩(チュンソンアム)、上仙岩(サンソンアム)を指します。亀潭峰と玉筍峰は互いに近いため、いつもセットで訪ねることになります。
亀潭峰は、忠清北道(チュンチョンブクト)丹陽郡丹城面(タンソンミョン)長回里(チャンフェリ)、堤川(チェチョン)と接する湖畔にそびえる、高さ330mの岩の峰です。中生代白亜紀の黒雲母花崗岩が削られてあらわになった断崖が、水際にまっすぐ落ちています。名前のせいで峰が九つあると思われがちですが、「九」は数字の9ではなく、亀を意味する「亀(グ)」です。頂上付近には、亀の形に似た岩もあります。一帯は月岳山国立公園に属しています。
丹陽郡守を務めた退渓・李滉(イ・ファン)は、亀潭峰一帯の景色について、中国の名高い瀟湘八景もこれにはかなわないと語ったと伝わっています。すぐ隣の玉筍峰にも李滉の話が残っています。玉筍峰はもともと清風(チョンプン)の土地でしたが、李滉が清風の郡守に丹陽へ譲ってほしいと頼んでも返事がなかったため、断崖に「丹丘洞門(タングドンムン)」と刻んで丹陽の関門としたといいます。
いま見る「水の上にそびえる断崖」は、比較的新しい景色です。1985年に忠州ダムが完成して、亀潭峰の下を流れていた南漢江の瀬が水没し、広い湖ができました。李滉が刻んだ文字もこのとき水中に消えました。この湖は、堤川側では清風湖とも呼ばれます。
丹陽邑から亀潭峰へ続く国道36号線は「大韓民国の美しい道路100選」に選ばれた道で、車で行き来する道のりも楽しめます。