論山(ノンサン)の般若山(パニャサン)の東麓にある灌燭寺には、韓国で最大の石仏とされる石造弥勒菩薩立像が立っています。高さ約18m、この地域の昔の名前にちなんで恩津弥勒(ウンジンミルク)と呼ばれるこの仏像は、大きな頭と手、円筒のように積み上げた体で、一度見たら忘れられない姿をしています。2018年に国宝に指定されました。
灌燭寺は、高麗の光宗の時代に僧の慧明(ヘミョン)が建てたお寺です。お寺に伝わる18世紀の記録によると、慧明は100人あまりの職人とともに、970年から1006年まで長い年月をかけて仏像を完成させました。仏像の額にある白毫(びゃくごう)の穴から出た墨書を根拠に、968年ごろに造られたとする見方もあります。お寺に伝わる話では、般若山でワラビを摘んでいた女性が、子どもの泣き声を頼りに行ってみると、地面から大きな岩がせり上がっていて、朝廷がこの知らせを聞いて、慧明に仏像を造らせたといいます。寺名には、中国の名僧智安(チアン)が仏像を見て「まるでろうそくの灯りを見るように、弥勒が輝いている」と言ったという話が込められています。灌は水を注ぐ、燭はろうそくという意味です。