階段を上っていくと、道が巨大な岩のあいだに吸い込まれていきます。肩をすぼめて岩の隙間を抜けると、断崖の上の堂宇と、その下にどこまでも広がる南海が一度に目に飛び込んできます。向日庵(ヒャンイラム)は、「太陽に向かう庵」という名のとおり、麗水(ヨス)の突山島(トルサンド)の南端、金鰲山(クモサン)の断崖で、水平線をまっすぐに見つめて座っているお寺です。
伝わる話によると、644年に元暁大師(ウォニョデサ)がここで観世音菩薩に出会い、円通庵という庵を建てたといいます。壬辰倭乱で焼けたあと、朝鮮の粛宗の時代の1715年に仁黙大師(インムクデサ)が今の場所に建て直し、南海の水平線から昇る太陽を見て「向日庵」と名付けました。周りの岩が亀の甲羅のようにひび割れていることから、霊亀庵とも呼ばれます。
2009年12月20日、原因不明の火事で大雄殿(円通宝殿)と事務所、鐘楼が焼失し、2012年5月に再建されて落成式が行われました。そのため建物は新しいものの、お寺が寄り添う岩と森はそのままです。毎年元日に開かれる向日庵の日の出祭は、1996年から続いています。洛山寺(ナクサンサ)の紅蓮庵(ホンニョナム)、南海の菩提庵(ポリアム)、江華の普門寺(ポムンサ)とともに韓国四大観音祈祷道場に数えられ、2022年には周辺一帯が「麗水 金鰲山 向日庵一帯」の名で名勝になりました。
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