済州の中山間、加時里(カシリ)の広い草原は、朝鮮時代に国で最も優れた馬だけを選んで育てた甲馬場(カプマジャン)があった場所です。チョランマル体験公園は、この牧場跡に村が自ら建てた空間で、村がつくったチョランマル博物館を中心に、乗馬場、カフェ、ゲストハウス、キャンプ場が集まっています。馬を見たり乗ったりするだけでなく、済州の人々が馬とともに生きてきた物語にも耳を傾けられる場所です。
「甲馬」とは、群れのなかで最も丈夫でよく走る馬を意味します。朝鮮の朝廷はこうした馬を別に集めて管理していて、その牧場がいまの西帰浦市表善面(ピョソンミョン)の加時里一帯でした。甲馬場は正祖の時代に設けられたとみられ、鹿山場(ノクサンジャン)を中心に900ヘクタール余りにおよんだと伝えられています。加時里は漢拏山の高地と海岸地帯をつなぐ中山間にあり、草がよく、土地も広いため、馬を育てるのに適していました。公園側は、この村の牧畜文化が600年近く続いてきたと紹介しています。
公園は、加時里のオルム(オルムは、済州に点在する小さな火山丘)と牧場の道をつなぐ甲馬場ギル(道)の拠点です。甲馬場ギルの全コースは加時里の村から始まり、約20km、7時間ほどかかりますが、時間が足りない旅行者向けのチョルブン甲馬場ギルは、公園を出発してタラビオルムとクンサスミオルムを回って戻ってくる約10km、4〜5時間のコースです。「チョルブン」は、済州のことばで「短い」という意味です。草原の区間では、ノロジカの群れに出会うことも珍しくありません。
公園の前を通る鹿山路(ノクサンノ)は、約10kmにわたって菜の花が咲く春のドライブコースとして有名で、加時里の村はチョランマル体験公園一帯で菜の花祭りを開いてきました。黄色い菜の花の向こうに、オルムの稜線と風力発電機が続く、済州東部の中山間らしい風景です。
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