済州東部、旧左邑(クジャウプ)の終達里(チョンダルリ)には、やわらかな曲線を描く小さな火山があります。標高は247.8m、周りの土地からの高さはわずか88mですが、頂上に立つと、3つの火口がつながった独特な姿と、城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)、牛島(ウド)まで見下ろせます。済州を愛した写真家金永甲(キム・ヨンガプ)が最も大切にしたオルム(岳)として知られるヨンヌニオルムです。
オルム(岳)とは、漢拏山(ハルラサン)の周りに点在する小さな火山を、済州で呼ぶ言葉です。ヨンヌニオルムは、周囲2,685m、面積約40万㎡の火山体で、北東の頂上峰を中心に3つの峰があり、その内側に楕円形の火口があります。山全体は東に浅く開いた馬蹄形で、西の麓には小さな子オルム(アルオルム)が2つくっついています。さまざまな種類の火口が集まった複合型の火山で、済州にある360あまりのオルムの中でも、火口が3つある珍しいオルムとして紹介されています。
名前には、いくつもの説があります。真ん中がくぼんだ姿が龍の寝た跡のようだから、龍が遊んだ場所のようだから、また、上から見下ろした火口が龍の目のように見えるから、という説です。昔の地図には、龍遊岳、龍眼岳、龍臥岳などと記されています。
ヨンヌニオルムは、2017年にあるバラエティ番組に登場して以来、訪れる人が大きく増えました。頂上付近の草が育たなくなるほど道がえぐれたため、2021年2月から2年以上、立ち入りを禁止する休息期間を設け、この間に探訪路を新たに整備して再び開放しました。探訪路はルートを変更し、足触りのやわらかいヤシのマットを敷いて、土がえぐれるのを防いでいます。映画『狼少年(ヌクテソニョン)』で、2人の主人公が駆け回る場面もここで撮影されました。