全羅南道(チョルラナムド)高興(コフン)の八影山(パリョンサン)の8つの岩峰が屏風のように並ぶ麓の、広い平地に楞伽寺(ヌンガサ)があります。一見すると静かな田舎のお寺ですが、華やかに飾られた大雄殿(テウンジョン)、17世紀の梵鐘の名匠・金愛立(キム・エリプ)の代表作である銅鐘、彫刻僧の色難(セクナン)がつくった十六羅漢像など、宝物がいくつもあります。八影山の岩稜登山を始める起点でもあります。
寺に残る事績碑によると、楞伽寺は新羅の訥祗王(ヌルジワン)の時代の419年に阿道和尚(アドファサン)が建て、最初は普賢寺(ポヒョンサ)と呼ばれたそうです。壬辰倭乱で焼けたものを、1644年に貞玄大師(チョンヒョンデサ)が再建し、名前を楞伽寺に改めました。天王門は1666年に最初に建てられ、1824年と1931年に建て直されました。寺の由来を記した事績碑は1690年に建てられたもので、全羅南道の有形文化遺産です。
17世紀後半から18世紀前半に全羅道で活動した彫刻僧の色難は、自らを「八影山の沙門」と称しました。楞伽寺が、彼の本寺であり、活動の拠点だったわけです。彼は1698年の梵鐘の施主、1730年の瓦の施主にも名を連ねるなど、寺の運営に深く関わりました。
寺の裏にある八影山は、「8つの峰の影」という意味です。中国の魏の王が、洗面器の水に映った8つの峰を見て、家臣に探させたという伝説が伝わっており、その影が漢陽(ハニャン、現在のソウル)にまで届いたという話もあります。1998年に道立公園となり、2011年に多島海海上国立公園に編入されました。