うっそうとしたクロマツの森の道をたどり、森が途切れる場所に立つと、足もとには灰色の断崖が数十メートルも切り立ち、その下で波が白く砕けています。太宗台(テジョンデ)は釜山・影島(ヨンド)の南東の端にある、標高200m足らずの丘陵地帯で、釜山を代表する海岸の景観です。晴れた日には水平線の向こうに、日本の対馬まで見えます。
名前の由来にはいくつかの話が伝わっています。三国を統一した新羅の太宗武烈王(テジョンムヨルワン)がここに来て弓を射たという説や、朝鮮の太宗が大干ばつのときに雨乞いをして雨が降ったことにならい、東萊府使(トンネブサ)が干ばつのたびにここで雨乞いの祭祀を行ったという説があります。海に出た夫を待ち続けて石になったという望夫石(マンブソク)の話も、あわせて伝わっています。
太宗台は1972年に釜山市の記念物となり、2005年に国の名勝に指定されました。うっそうとしたクロマツ(海松)の森やエノキなど南部海岸の植生が奇岩絶壁と調和している点が評価されました。
太宗台の岩は、中生代白亜紀に湖の底に堆積した堆積岩の層です。その後、長い年月にわたって波に削られ、海食洞、波食台、海食崖といった地形ができました。太宗台から東三洞(トンサムドン)の海岸まで、地層の層理がはっきりと現れていて、神仙岩(シンソンアム)の周辺には恐竜の足跡の化石が残っています。1999年の最初の発見以降、調査で合計155個が確認されたと伝えられています。現在は釜山国家地質公園の地質名所になっています。
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