安東の旧市街のまんなか、太師廟(テサミョ)と熊府公園(ウンブコンウォン)から歩いて5分ほどのところにある、安東で最も古い市場です。醤油ベースのタレに野菜と春雨を入れて煮込む安東チムタク(鶏の蒸し煮)は、まさにこの市場の路地で名を上げました。末の位が2・7の日には五日市まで重なり、市場全体がにぎわいます。チムタクを一皿味わい、塩サバ(カンコドゥンオ)の買い物をして、安東市街の旅を始めるのにぴったりの場所です。
安東一帯では、1830年代から五日ごとに開かれる市がいくつもありました。そのなかで、末の位が2日と7日に開かれていた盆内場(プンネジャン)が、1909年ごろに最も大きな市に成長し、穀物や牛、魚はもちろん、安東布(アンドンポ)や安東焼酎(アンドンソジュ)といった地元の特産品が、この市で取引されました。1963年に新堂場(シンダンジャン)と合併して、毎日営業する常設市場になりましたが、今でも2・7の日には、昔の市の流れが続いています。2002年にアーケードの屋根がかかり、2012年に公営駐車場ができ、2021年には出入口のゲートと天井の照明が新しくなりました。
市場の西側には、チムタク店が軒を連ねるチムタク通りがあります。もともとは、生鶏や丸鶏を売っていた通りでしたが、周辺に大学が増えるにつれ、揚げた丸鶏よりも量が多くて値段が安い料理を求めるお客さんが増え、そうして醤油ダレのチムタクが生まれた、という話が伝わっています。この通りは2011年に、慶尚北道のテーマ通りに指定されました。チムタクはたいてい、みんなで分け合う大皿で出てくるので、二、三人で行くといろいろなメニューを味わえます。
市場の周辺は、安東旧市街の見どころが集まる場所です。高麗の建国に功のあった三人を祀る太師廟が約400m、かつての安東の官衙の跡に造られた熊府公園が約500m離れていて、統一新羅時代にレンガで築かれた運興洞(ウヌンドン)五層塼塔も歩いて行けます。独立運動家・李相龍(イ・サンニョン)の生家である臨清閣(イムチョンガク)までは約1.5kmで、洛東江沿いを散歩がてら訪ねるのにちょうどよい距離です。