金海(キメ)市進永邑(チニョンウプ)の烽下村は、第16代大統領盧武鉉(ノ・ムヒョン)が生まれ、退任後に戻って暮らし、2009年5月23日に生涯を閉じた村です。甘柿と稲作をなりわいとする、ごく普通の田舎の村ですが、生家と墓所、市民に公開されている私邸、烽火山(ポンファサン)の散策路がつながっていて、毎年多くの人が訪れます。政治的な立場を問わず、ひとりの大統領の人生と帰郷を静かに振り返ることのできる場所です。
村の名前は、裏山の烽火山の烽燧台(のろし台)の下にあるという意味の「烽下(ポンハ)」に由来します。昔、この山頂で火をたいて知らせを伝えたといいます。進永邑から東へ約4.5km、烽火山の麓にあり、進永の甘柿とお米が代表的な作物です。烽火山の東側には、昔泥棒が多かったという「泥棒谷(トドゥクコル)」、西側には、伏せたキツネが尾を振り返る形だという「キツネ谷(ヨウコル、野市谷)」があり、名前にまつわる話もたくさんあります。
盧武鉉前大統領は、退任を前に故郷に家を建て、2008年に烽下村へ戻りました。退任後は、アヒルを放して害虫を取り除く環境にやさしい農法で「烽下アヒル米」を育てるなど、エコ村づくりに力を注ぎました。彼に会いに来る人が増えるにつれ、村の近くの花浦川(ファポチョン)湿地や烽火山も一緒に知られるようになりました。
逝去後の私邸には権良淑(クォン・ヤンスク)夫人が暮らし、2019年に私邸が「大統領の家」という名前で市民に公開されました。烽下村は、金大中(キム・デジュン)前大統領の故郷である新安・下義島(ハウィド)の後光里(フグァンニ)と姉妹縁組を結んでおり、嶺南と湖南の和合の象徴として紹介されることもあります。
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