東大門のすぐ裏、駱山(ナクサン)の斜面に沿って、急な階段と細い路地が幾重にも重なる町です。路地のあちこちからミシンの音がもれてくる縫製工場や、1970〜80年代の面影を残す家々が並び、その合間に白南準(ペク・ナムジュン)や朴寿根(パク・スグン)ゆかりの場所、日本統治期の採石場の崖が隠れています。華やかな観光地ではありませんが、ソウルがどう働き、どう暮らしてきたかを、歩きながら読み取れる場所です。
昌信洞(チャンシンドン)は、東大門の衣料品市場に服を納める縫製工場が集まるエリアです。路地を歩くと、生地の束を積んだバイクがひっきりなしに行き交い、半開きの扉の向こうからミシンとラジオの音が聞こえてきます。町内にあるイウムピウム縫製歴史館では、この町の縫製産業の歴史や、服ができるまでの工程を紹介しています。昌信洞の縫製村は、「ソウル未来遺産」にも選ばれています。
町の上のほうには、山を垂直に切り落としたような崖があります。日本統治期、ここと隣の崇仁洞(スンインドン)で良質な花崗岩が切り出され、その石は朝鮮総督府や京城駅(現在の文化駅ソウル284)、朝鮮銀行などの建物に使われたといわれています。採石場の上には、2019年11月にオープンした昌信崇仁採石場展望台があり、ソウル都心のスカイラインを一望できます。すぐ下には、子ども向けの遊び場「サンマルル遊び場」もあります。
鍾路区(チョンノグ)が運営する路地ガイドコースは、駱山公園のノリマダン展望台から出発し、採石場展望台、採石場の崖の下の集落、縫製通り博物館、イウムピウム縫製歴史館、昌信市場、金光石の旧居跡、白南準記念館、文具・玩具市場、朴寿根の旧居跡を経て、清渓川路(チョンゲチョンノ)まで下ります。全体で約2時間30分のコースで、ガイド同行ツアーは事前に予約できます。丘の上から下り坂を歩く順路なので、体力的な負担も少なくて済みます。
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