興仁之門(フンインジムン)は、朝鮮の漢陽都城の東の大門で、一般には東大門(トンデムン)と呼ばれています。ソウルの城門8か所のうち、半月形の甕城(オンソン)を巡らせているのはここだけで、名前が4文字なのもここだけです。今は車が行き交う交差点の真ん中に立っていますが、すぐ隣の興仁之門公園に上れば、甕城の内側まで見下ろせます。
東側は土地が低く、土を盛ってから建てなければならなかったため、ほかの城門より遅れて1398年(太祖7年)にようやく完成しました。当初の名前は興仁門でした。1451〜1453年に建て直され、現在の建物は1869年(高宗6年)に再建されたものです。この頃、漢陽の東側は地の気が弱いとされ、「之」の字を加えて4文字の名前になったと伝わっています。そのため扁額も、四大門の中で唯一4文字で、しかも正方形です。1907年には路面電車の線路を通すため、門の両脇の城壁が取り壊されました。地下鉄の開通後に地盤が沈んで甕城がふくらんだため、2002〜2007年に甕城を解体し、地盤を補強して積み直しました。
崇礼門が朝鮮初期の様式を残しているのに対し、興仁之門は19世紀に建て直されたため、朝鮮後期の様式を見せてくれます。両方の門を訪れるなら、屋根の下の斗栱や装飾の違いを見比べてみてください。
1724年には、王室の葬列の輿が通りやすいように、門の下に敷かれていた薄い石を掘り起こしたこともありました。2011年8月には記録的な豪雨で屋根の棟の一部が割れ、2018年3月には男が門楼にこっそり上って火をつけましたが、塀の一部が焦げただけで済みました。現在は鍾路区(チョンノグ)が管理しており、道の向かいには東大門デザインプラザ(DDP)と東大門市場の商業ビルが並び、古い城門と現代の都市が隣り合う風景を楽しめます。