古いフィルムカメラ、真鍮の飾り物、近現代の生活用品、古着やバッグまで。ソウル・東大門区(トンデムング)新設洞(シンソルドン)のソウル風物市場は、「ないものはない」という言葉がぴったりの屋内蚤の市です。清渓川(チョンゲチョン)沿いで数十年続いた露店市場が移ってきて根づいた場所なので、どの品物にもソウルの庶民の生活史のひとかけらが染み込んでいます。
市場のルーツは、日本統治時代から清渓川周辺で貧しい人々が生活道具を売り買いしていた黄鶴洞蚤の市です。「トッケビ市場(鬼の市場)」とも呼ばれたこの露店市場は、清渓川の復元工事が始まると2003年に東大門運動場のサッカー場の中へ移り、そこに東大門デザインプラザが建つことになって、再び荷物をまとめました。2008年4月、商人たちは新設洞の旧崇仁(スンイン)女子中学校の敷地に新しく建てた建物へ移り、名前も「ソウル風物市場」に変えました。このとき、東大門風物蚤の市の店舗894か所が一緒に入りました。市場は2015年にソウル未来遺産に選ばれました。
市場の中は7つの色でゾーンが分かれていて、道が分かりやすくなっています。緑のゾーンには骨董品、オレンジのゾーンには古着、黄色のゾーンには生活用品、紫のゾーンには趣味の品が集まり、赤のゾーンは飲食店街です。骨董品ゾーンでは、真鍮の器や昔の装身具、古いカメラやラジオを眺めるだけでも時間があっという間に過ぎます。値段交渉が当たり前の場所なので、気に入った品があれば値段を聞いて、ゆっくり選んでください。
2階には、1960〜70年代のソウルの商店街を再現した青春1番街(チョンチュンイルボンガ)があります。昔ながらの理髪店や貸本マンガ屋、写真館が再現され、LPレコードの音楽が流れる青春茶房や、懐かしい駄菓子を売る文房具店もあります。同じ市場の中には、韓紙工芸や天然石けん作りを体験できる伝統文化体験館もあります。
ソウル風物市場は、2015年のソウル未来遺産に続き、2023年には「K-観光マーケット」にも選ばれました。庶民の生活用品が巡り巡っていた清渓川の露店の伝統を、今も受け継いでいる点が認められたということです。近くの東廟(トンミョ)前の路上の蚤の市が露店中心なのに対し、ここは屋根の下の整った店舗で、雨の日でも快適に見て回れる点が違います。
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