朝鮮半島の南の果て、海南(ヘナム)。頭輪山(トゥリュンサン)の谷沿いに長い森の道を歩いて入ると、山の峰に囲まれた広い寺が現れます。海南 大興寺(テフンサ)は、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の僧兵の将、西山大師(ソサンデサ)の衣鉢が伝わった寺であり、草衣(チョイ)禅師が韓国の茶文化をよみがえらせた場所です。2018年に「山寺、韓国の山地僧院」としてユネスコ世界遺産に登録された7つの寺のひとつです。
創建については、記録によって伝える話が異なります。新羅の僧・浄観(チョングァン)が426年に建てたという記録があり、阿道和尚(アドファサン)が544年(百済の聖王22年)に建てたという言い伝えもあります。昔の名は大芚寺(テドゥンサ)で、山の名が「ハンドゥム山」から大芚山、さらに頭輪山へと変わるあいだに、寺の名も一緒に変わりました。
寺が大きく名を上げたのは、壬辰倭乱のあとです。僧兵を率いた西山大師の衣鉢がここに伝わったことで、大興寺は17〜18世紀に西山系統の中心寺院として、禅宗と教宗を合わせた大きな道場になりました。壬辰倭乱のときは、僧軍の総本営がここにあったとも伝えられます。朝鮮後期には草衣禅師が、寺の上の谷に一枝庵を建てて40年あまりひとりで修行し、茶と禅は一つという考えを広めたため、大興寺は韓国茶文化の聖地と呼ばれています。
1975年に名勝に指定され、2009年には史跡になりました。境内には、国家指定文化遺産が12点、市・道指定文化遺産が9点あります。
境内には、90年以上続く韓屋の宿遊仙館(ユソングァン)がありました。バラエティ番組で紹介されて有名になりましたが、道立公園内での営業をめぐる論争もありました。一枝庵は、今もお茶を愛する人たちが、わざわざ訪れて登る場所です。
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