遠くから見ると、巨大なムカデが小川を渡っているように見えます。鎮川 農橋(ノンダリ)は、赤みを帯びた小さな石を積んで作った橋脚28間が、世金川(セグムチョン)の上をくねくねと続く石橋です。石の間に石灰や土を塗らずに積んだのに、梅雨の増水でも流されずに今まで持ちこたえてきたという点が、この橋を特別なものにしています。
1932年に刊行された郷土誌『商山誌』と『朝鮮寰輿勝覧』には、この橋を高麗初期の林将軍が築いたと記されています。赤い石で陰陽を合わせ、天の星座・二十八宿にならって28間に作ったという記録も伝わります。その通りなら千年近い歳月に耐えたことになりますが、正確な築造年代は文献の記録と伝説に頼っています。
1976年12月21日に忠清北道の有形文化遺産に指定されました。長い年月のうちに橋脚の一部が流失して24間だけが残っていたため、2008年から元の28間によみがえらせる復元事業が行われました。復元は2018年に完了し、現在は28間すべてがつながっています。国土関連の省庁が選んだ「韓国の美しい道100選」にも名を連ねています。ただし、2017年7月16日に忠清北道を襲ったゲリラ豪雨でも一部が崩れ、再び補修が必要になりました。
ドラマ『モレシゲ(砂時計)』や『テチュナム サランコルリョンネ(ナツメの木に恋がかかった)』の撮影地として使われ、中高年の旅行者にはまず画面の中の場面として知られていました。毎年、農橋祭りも開かれます。