鎮安(チナン)の野を車で走っていると、灰色の岩の峰が2つ並んでぴんと立っています。その形が馬の2つの耳に似ていることから、馬耳山(マイサン)という名前が付きました。近づいてみると、岩の表面は砂利の入ったコンクリートのようにざらざらしていて、あちこちに爆撃を受けたような穴が開いており、遠くから見た滑らかな姿とはまったく違います。
この山は時代ごとに名前が違いました。新羅の時代には西多山(ソダサン)、高麗の時代には湧出山(ヨンチュルサン)、朝鮮初期には束金山(ソククムサン)と呼ばれ、太宗の時代から馬の耳に似ているとして馬耳山と呼ぶようになったといいます。2つの峰は雌馬耳峰(アムマイボン)と雄馬耳峰(スンマイボン)で、高さは資料によって少しずつ違い、雌馬耳峰が686〜687m、雄馬耳峰が680〜681mほどです。
馬耳山は、約1億年前の中生代白亜紀に湖底に積もった砂利と砂が固まった礫岩でできています。その後、地殻変動で隆起して、今の姿になりました。南側から見ると、急斜面にくぼんだ大小の洞窟が見えますが、これをタフォニといいます。岩の隙間に入った水が凍っては溶けるのを繰り返し、内側から穴を広げて生まれた地形で、これほど大規模なものは珍しいです。馬耳山は1979年に道立公園、2003年に名勝に指定され、鎮安・茂朱(ムジュ)国家地質公園の地質名所でもあります。
朝鮮の王の玉座の後ろに置かれた日月五峰図に描かれた5つの峰について、鎮安の年配の方々は、馬耳山を描いた絵だと語ります。学界の定説ではありませんが、馬耳山を見れば、そんな話が出てきた理由が想像できます。馬耳山の塔寺は、CNNが選んだ韓国の美しい寺院33選にも入りました。馬耳山の礫岩は、鎮安盆地という昔の湖の盆地に積もった地層の一部で、鎮安・茂朱国家地質公園を代表する地質名所です。
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