ソウル大学へ向かう道の入口、冠岳山(クァナクサン)の麓に、赤い柱の祠が立つ公園があります。落星垈(ナクソンデ)は「星が落ちた地」という意味で、高麗の名将姜邯賛(カン・ガムチャン、948~1031)が生まれたとき、ここに大きな星が落ちたという話が名前の由来です。地下鉄の駅名としてのほうがなじみ深いかもしれませんが、実際に訪れてみると、将軍を偲ぶ祠と高麗時代の石塔が静かに佇んでいます。
姜邯賛は、科挙で首席合格した文臣でありながら、契丹の侵入を退けた武将としても名を残しました。こうした経歴から、彼を天の星が人として生まれた人物とみなす話が数多く伝わっています。朝鮮初期の文臣・成俔(ソン・ヒョン)が書いた『慵斎叢話』には、宋の使節がみすぼらしい身なりの姜邯賛をひと目で見抜き、「文曲星(北斗七星の4番目の星)が長いこと見えなかったが、今は東方にある」と言って拝礼したという逸話が載っています。ただし、こうした話は伝説として受け止めたほうがよいでしょう。
ソウル市は1973年11月からこの一帯の整備を進め**、1974年6月に公園を完成させました。面積は31,350㎡**で、周囲には409mの塀が築かれました。
公園の入口から安国門までは広い石段が続き、門を過ぎると内側の門(内三門)の中に祠があります。安国祠の前庭にある三層石塔は、基壇と屋根石のバランスが端正で、高麗の石塔の姿を間近で見られます。公園の周辺は住宅街と大学街なので、静かに過ごすのにぴったりです。古い記録には、姜邯賛は体が小さく耳も小さかったものの、貴相をそなえていたという話も残っており、華やかな武将のイメージとは違う姿を想像してみるのも面白いでしょう。