南漢江(ナマンガン)が大きく曲がって流れる丹陽(タニャン)郡永春(ヨンチュン)面。高句麗の将軍・温達(オンダル)の名を冠した山城のふもとに、石灰岩の洞窟が口を開けています。温達洞窟は、最長4億5千万年前から形づくられたと推定される天然洞窟で、1979年に天然記念物に指定されました。入口が川岸のすぐそばにあるため、川の水が洞窟を出入りして削り上げた独特の構造を見ることができ、洞窟の外にある温達観光地の時代劇セットや温達山城までまとめて見て回れます。
朝鮮時代の地理書『新増東国輿地勝覧』(シンジュントングギョジスンナム)には南窟(ナムグル)と記されており、城山(ソンサン)のふもとにあることから城山窟とも呼ばれていました。現在の名前は、山の上の温達山城の下にあることに由来します。1966年に学術調査が始まり、1975年にいったん公開されたものの、地形上の事情で閉鎖。大規模な整備を経て、1997年に再び一般公開されました。
洞窟の長さは約800mです(資料によっては700〜760mと紹介されることもあります)。入口から東へ長く延びる主洞と、そこから枝分かれした5本の支洞で構成され、奥には6か所の広い空間があります。ところどころに鍾乳石と石筍が発達しており、奥のほうが入口より高い位置にあるため、澄んだ水がいつも入口に向かって流れ出しています。水たまりには魚が棲んでいることもあります。
南漢江の水位が上がると川の水が洞窟の中まで入ってくるので、長い年月のあいだに水が壁を削った跡がくっきりと残っています。洞窟内の気温は一年じゅう16℃前後。夏は涼しく、冬は暖かく感じられます。
洞窟は1995年に整備された温達観光地の中にあります。約1万8千㎡の敷地に高句麗の宮殿や市場通りなど50棟あまりを再現したドラマのセットでは、「ヨン・ゲソムン(淵蓋蘇文)」や「太王四神記」「六龍が飛ぶ」、映画「神と共に」など、数多くの時代劇や映画が撮影されました。温達将軍と平岡(ピョンガン)公主の物語を紹介する温達展示館もあります。
洞窟の上の城山の頂上付近には、周囲683mの石の城壁、温達山城(史跡)が残っています。高句麗の温達将軍が新羅との戦いで戦死したという話がこの地方に伝わっていて、その名がつきました。城壁の保存状態がよく、南漢江と永春の野原を見下ろす眺めも爽快です。毎年10月ごろには、このあたりで丹陽温達文化祭が開かれます。
訪問前に最新情報をご確認ください。