南漢江の水辺の石灰岩の断崖の下、橋を渡ると狭い入口が現れます。寧越 高氏窟(コッシグル)は、壬辰倭乱のときに高氏一族が隠れて乱を避けたという話から名前がついた石灰岩の洞窟で、ヘルメットをかぶり、体をかがめながら鍾乳石や石筍のあいだを進む、探検型の洞窟です。1969年に天然記念物に指定され、江原古生代国家ジオパークの名所でもあります。
洞窟は、約4億〜5億年前に積もった古生代の石灰岩の地層に、地下水が節理に沿って流れながら岩を溶かしてつくった空間です。全体の形は、Wの字を大きく広げたようだと説明されています。名前の由来となった高氏一族は、壬辰倭乱のときにここに隠れて暮らしたと伝わり、洞窟の中には、彼らが火をたいた跡と紹介される場所もあります。1966年の調査をきっかけに学界に知られ、1974年から一般に公開されました。洞窟の全長は、資料によって約3km、3.4km、6kmと異なって紹介されています。
洞窟内の気温は一年じゅう15℃前後、水温は約5.3℃です。真夏でもひんやりしているので、暑さを避けに訪れる人が多くいます。入口の前の鉄製の通路と手すり、照明が道を案内してくれますが、床が濡れて滑りやすい区間があります。
入口側の崖には、古生代初期に積もった朝鮮累層群マッコル層の石灰岩がそのまま露出しています。洞窟周辺の地質は、マッコル層とコソン・シェール層からなり、まさにこの石灰岩の層が地下水に溶けて洞窟ができました。洞窟の中には、洞窟だけにすむ生き物が20種あまりいると紹介されていて、2020年には、この洞窟で採集された甲殻類が新種として学界に報告されました。