俗離山(ソンニサン)の北麓、尚州(サンジュ)市化北面(ファブクミョン)のサンオリには、樹齢数百年のマツが集まって立つ松林があります。毎年8月になると、その下をヤブラン(麦門冬、メンムンドン)の紫の花がじゅうたんのように覆い、赤い松の幹と紫の花が重なる光景を撮ろうと、写真愛好家たちが集まってきます。林が大きくないので散歩気分で巡れて、いつでも無料で入れます。
サンオリの松林は、もともと古い松の群落地としてだけ知られた場所でした。林の地面にヤブランの群落が造成されたことで、晩夏の花の名所になりました。ヤブランは日陰でもよく育つ多年草で、細い花茎に小さな紫の花がびっしりとつきます。林の真ん中には丹青を施した八角の東屋があり、林の脇には松がトンネルのように並ぶ散策路が続いています。
ヤブランは、常緑の葉をもつユリ科系の多年草です。塊状の根は昔から漢方薬の材料として使われ、花が終わると秋に黒い実がなります。日陰に強く、古い林の地面を覆うのに適しているため、尚州のように古い松林の下にヤブランを植えた場所が全国各地にできました。中でもサンオリの松林は、樹齢数百年の太く赤い幹が花畑の上にそびえているため、写真に収めたときの奥行きがひと味違います。花の盛りには、一日に数百人の写真愛好家や旅行者がこの小さな林を訪れます。
この林のヤブランは、2016年以降の数年間、花を咲かせませんでした。原因を調べると、窒素肥料のやりすぎで葉ばかりが茂ってしまったためでした。化北面の職員たちが株分けして植え替え、2年間肥料を断ち、春には古い葉をすべて取り除いて新芽が出るようにしました。その結果、2020年8月、4年ぶりに紫の花畑が戻ってきました。
2023年のtvNドラマ『ムインドエ・ディバ』(『無人島のディーバ』の意)で、想いを隠してきたソ・モカとカン・ボゴルが互いの気持ちを打ち明けて抱き合う場面が、この松林で撮影されました。ドラマを見た方なら、松の間の紫の花畑に見覚えがあるはずです。
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