俗離山(ソンニサン)国立公園の北、槐山(クェサン)郡清川面(チョンチョンミョン)にある華陽九曲は、広い白い岩の上を澄んだ水が流れる渓谷です。下流から上流へさかのぼりながら続く9つの曲がり角の景色にそれぞれ名前が付いていて、岩に刻まれた文字を探すのも楽しみです。2014年に国の名勝に指定されました。
華陽九曲は、朝鮮後期の大学者尤庵 宋時烈(ソン・シヨル、1607〜1689)が政界を離れて暮らし、学問を磨き、弟子を教えた場所です。宋時烈が亡くなったあと、弟子の遂庵 権尚夏(クォン・サンハ)が、中国の朱子の武夷九曲にならって九つの曲がり角の名前を定め、のちに丹巌 閔鎮遠(ミン・ジノォン)が岩に文字を刻んだと伝えられています。渓谷一帯は中生代白亜紀にできた明るい色の花崗岩でできているため、岩がとりわけ白いです。この花崗岩は道明山(トミョンサン)や俗離山の北へと続いています。
第4曲の金沙潭の向かいの岩の上には、宋時烈が1666年に建てた書斎巌棲斎(アムソジェ)があります。部屋2間と板の間1間の小さな瓦屋根の家で、水辺の岩の上にちょこんとのった姿が、華陽九曲でいちばん愛されている風景です。敷地は約65㎡で、部屋の中には扁額が5つ掛かっており、岩のあいだに小さな一角門が立っています。日本統治時代の末期に子孫が修理し、1970年に再び補修されました。近くには、宋時烈と深く関わる華陽書院と萬東廟が復元されており、「非礼不動」といった宋時烈の筆跡も岩に残っています。