標高336mと高くはありませんが、奇岩絶壁と深い渓谷、千年の古刹が調和する、高敞(コチャン)を代表する山です。1979年に道立公園となり、火山活動が残した岩の地形が評価されて、2023年にはユネスコ世界ジオパーク(全北西海岸)にも含まれました。9月のヒガンバナと11月の紅葉の時期になると、兜率渓谷(トソルケゴク)沿いを歩く人でにぎわいます。
禅雲山は兜率山(トソルサン)とも呼ばれます。「禅雲」は雲の中で参禅するという意味で、「兜率」は弥勒仏がおられる天上界の兜率天を指します。山の麓の禅雲寺(ソヌンサ)が名をはせるにつれて、山の名も禅雲山に定着したといわれています。昔は谷ごとに庵が89か所もあったと伝えられ、今も兜率庵(トソラム)、懺堂庵(チャムダンアム)、石像庵(ソクサンアム)などの庵が山裾に点在しています。
山の岩は、約8,600万年前の後期白亜紀の火山活動でできた凝灰岩と流紋岩です。そのため低い山でありながら、天馬峰やペメンバウィ(「舟をつなぐ岩」の意)のように切り立った岩の峰が多く、ロッククライミングの場所としても名高いところです。禅雲寺から兜率庵に至る兜率渓谷一帯は、2009年に国家名勝に指定されました。