雲吉山(ウンギルサン)の中腹、標高数百メートルの高さにある水鍾寺(スジョンサ)に上ると、足元に北漢江(プカンガン)と南漢江(ナマンガン)が出会う斗物頭(トゥムルモリ、両水里〈ヤンスリ〉)が広がります。朝鮮前期の文人・徐居正(ソ・ゴジョン)が「東方で一番の眺めを持つ寺」と評したといわれる場所で、今では、お茶を飲みながら川を見下ろせる茶室としても名高い寺です。寺の一帯は名勝に指定されています。
お寺は新羅の時代に最初に建てられたと伝わりますが、詳しい沿革は分かっていません。名前には、朝鮮の世祖にまつわる伝説があります。1458年、世祖が金剛山からの帰りに両水里で一夜を過ごしていると、真夜中に鐘の音が聞こえ、訪ねてみると岩穴の中に十八羅漢がいて、洞窟の中に落ちる水のしずくの音が、鐘の音のように響いていたといいます。そこでここに寺を建て、「水」に「鍾(鐘)」の字を使って水鍾寺と名づけたという話です。ただ、境内には世祖の叔母にあたる貞懿翁主(チョンウィオンジュ)の浮屠が残っているので、それ以前からすでにかなり大きな寺だったと考えられます。
実学者の丁若鏞(チョン・ヤギョン)は、水鍾寺で過ごす楽しみを、君子の楽しみにたとえるほどこの寺を愛し、「茶の聖人」と呼ばれる草衣禅師(チョイソンサ)が彼を訪ねて、一緒にお茶を飲んだといわれています。朝鮮戦争で被害を受けたため、現在の建物の多くは現代に再建されたものです。
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