太白山の唐谷入口に、韓国の石炭産業のすべてを集めた博物館があります。太白石炭博物館は炭鉱の街・太白(テベク)で1997年に開館し、石炭ができる過程から鉱夫のお弁当にまつわるタブーまでを、8つの展示室と屋外展示場に収めています。最後の展示室では、本物の坑道のようにつくられた空間を歩きながら、採炭の現場や落盤事故の場面まで間近に体験できます。
石炭はかつて、韓国にほぼ唯一といえる天然のエネルギー資源であり、家庭の燃料でもありました。しかし石油やガスに押されて炭鉱が次々に閉山すると、太白市はその歴史と鉱夫たちの苦労を残そうと博物館の建設を計画しました。1989年に基本計画を立て、1994年に着工、1997年5月27日に開館しています。延べ床面積は約6,900㎡、地上3階・地下1階の建物に、鉱物や鉱山の機材、文書、生活用品など7,739点の所蔵品がそろっています。東洋最大規模の石炭専門博物館として紹介されることもあります。
見学ルートは屋内774m、屋外563mの合計1,337mです。展示室は地質館から始まり、石炭の生成と発見、採掘と利用、鉱山の安全、鉱山政策、炭鉱の暮らし、太白の地域館、体験坑道館の順に続きます。
炭鉱の町には、鉱夫の安全を祈るタブーがたくさんありました。お弁当にご飯を四杯分よそわない、女性は道で鉱夫を追い越さない、坑内ではネズミを捕らない、といったものです。初期の鉱山社宅は部屋と台所がそれぞれ一間ずつしかなく、体を洗う場所もありませんでした。仕事を終えた鉱夫たちは村の井戸で体を洗いましたが、全身が炭の粉と汗にまみれ、家族でさえ見分けがつかなかったといいます。
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