江華邑(カンファウプ)の中心部、低い丘を階段で上っていくと、屋根つきの門(ソッスルデムン)の向こうに、瓦屋根を2層に重ねた韓屋が一棟現れます。軒下の扁額には「天主聖殿(チョンジュソンジョン)」と書かれ、棟の端には十字架が立っています。大韓聖公会 江華聖堂は、1900年に開堂した、韓国で初めて建てられた韓屋の聖堂です。
江華で1896年に初めて韓国人が聖公会の洗礼を受けたのをきっかけに、大韓聖公会の初代主教であるイギリス人のチャールズ・ジョン・コーフ主教(韓国名コ・ヨハン)が聖堂を建てました。1900年11月15日に祝別され、聖ペテロ・パウロ聖堂という名前がつけられました。工事は景福宮(キョンボックン)の工事にも携わった宮廷の棟梁が担当し、その後何度か補修を経ましたが、当初の姿をよく守っています。
外国の宗教への抵抗感を和らげるため、外観を伝統的な韓屋にしたと考えられています。1915年には、この聖堂から韓国人初の聖公会司祭であるキム・ヒジュン神父が誕生し、ハングルで書かれた司祭叙品状が今も礼拝堂の中に保存されています。2001年に国の史跡に指定されました。
聖堂の外観には、西洋風の装飾がほとんどありません。瓦屋根も木組みも、柱に掛ける対句(柱聯)まで韓屋そのままなので、中に入ってバシリカの空間に出会ったときの意外性が、この聖堂の一番の楽しみです。聖堂は今も聖公会ソウル教区の教会として礼拝が行われています。
聖堂は1981年に京畿道の有形文化財として初めて指定され、江華郡が仁川広域市に編入されたことで仁川市の文化財になり、2001年に国の史跡となりました。保護区域は6,452㎡です。2009年には、ある男が放火しようとして監視員に見つかり、火災を免れたこともありました。