ソウル東大門区の祭基洞(チェギドン)駅の前、高麗人参や甘草、ナツメ、クコの実が袋ごと積まれた路地では、まず漢方薬材のにおいが迎えてくれます。京東市場(キョンドンシジャン)は1960年に開業したソウルを代表する伝統市場で、韓国で流通する漢方薬材の**約70%**を供給する最大の漢方薬材市場として知られています。観光客向けに整えられた場所ではなく、ソウルの人たちが実際に買い物をする場所なので、街の生活のにおいをそのまま感じられます。
京東市場は、朝鮮戦争後にソウルの暮らしが息を吹き返していたころ、清凉里(チョンニャンニ)駅近くの空き地に商人が集まり、自然に生まれました。1960年6月に正式に開業してからは、食料品と漢方薬材を中心にした大型の伝統市場として定着しました。今では清凉里駅と祭基洞駅の間に広がっています。漢方薬材の店や韓医院など関連業者が1,000軒以上集まり、農産物や水産物を扱う卸・小売店まで合わせると、市場一帯は約**30万㎡**に及ぶといわれます。もともとは大邱薬令市(テグヤンニョンシ)が漢方薬材取引の中心でしたが、今はここがその役割を引き継いでいます。市場周辺はソウル薬令市とも呼ばれ、近くには韓医薬の遺物や薬材を展示する区立の韓医薬博物館もあります。