済州島北東部の朝天浦口のすぐそば、海に向かって丸く積まれた玄武岩の城壁の上に、赤い柱の東屋がひとつ載っています。朝天鎮城(チョチョンジンソン)は、朝鮮時代に済州の海岸を守っていた9つの鎮城のひとつで、城壁の上の東屋は「北の王を慕う」という意味の戀北亭(ヨンブクジョン)です。済州市内から近く、いつでも無料で立ち寄れるので、東海岸のドライブや済州オルレの道の途中でひと休みするのにぴったりです。
朝天浦は、朝鮮時代に済州と陸地を結ぶ最も重要な玄関口のひとつでした。済州に赴任する牧使や役人たちはこの港から入り、馬、ミカン、アワビなどの進上品がここから船に積まれて陸地へ旅立ちました。順風を待つ船が停泊する場所でもありました。そのため、港を守る軍事施設である鎮城が築かれ、役人たちが宿泊する客舎・朝天館もありました。
1590年(宣祖23年)に城を北東へ移して築き直す際、朝天館の建物を城壁の上に新たに建て、双碧亭(サンビョクジョン)と呼びました。1599年(宣祖32年)には済州牧使の成允文(ソン・ユンムン)が建物を修理し、名前を戀北亭に改めました。現在の建物は1973年に補修された姿で、このときに出た記録から、それ以前の大規模な修理は1820年(純祖20年)だったと見られます。日本統治時代には、東屋が警察の駐在所として使われたこともあります。戀北亭は1971年に済州道の有形文化遺産に、朝天鎮城は2015年に済州道の記念物になりました。