済州島の南西端、漁船がびっしりと並ぶ港から眺めると、海の向こうに加波島(カパド)と馬羅島(マラド)が見えます。摹瑟浦港は済州島南西部の漁業の中心地であり、韓国最南端の島へ向かう船が出る出発点でもあります。冬になると脂の乗ったブリがこの港に水揚げされ、済州でブリといえば摹瑟浦を思い浮かべるほどです。
摹瑟浦港は、西帰浦(ソギポ)市大静邑(テジョンウプ)下摹里(ハモリ)にある漁港で、1971年12月21日に国家漁港に指定されました。「摹瑟浦」という名前は、「砂のある浦」という意味から来ているといわれます。数多くの漁船がここから出港して帰ってきて、水揚げされた魚は済州で最も新鮮な魚として知られています。特にブリとアマダイ(オクトム)がよく獲れるため、港の周辺には刺身屋さんや魚料理の食堂が集まっています。
現在の姿は、数十年かけてつくられてきました。1980年の水理模型実験を経て1987年に基本計画を立て、1991年に基本施設を完成させたあと、1998年に再び整備計画をまとめました。加波島や馬羅島を訪れる人が増えると、済州道は2011年、南港に地上2階建て、668m²規模の旅客船待合所を建てることにしました。
摹瑟浦が属する大静邑は、朝鮮時代に大静県の中心地でした。秋史・金正喜(キム・ジョンヒ)が流刑生活を送るなかで秋史体を完成させた配所も大静邑にあり、港の見物とあわせて立ち寄るのに向いています。
毎年11月ごろ、摹瑟浦港一帯で最南端ブリ祭りが開かれます。2025年が第25回でした。素手でのブリ捕り、いけす釣り、ブリの試食といったイベントが行われますが、プログラムや参加費は年によって変わるので、祭り実行委員会のお知らせを確認してください。