ロッテワールドタワーが空にそびえる蚕室(チャムシル)のまん中に、周囲に桜の木が並ぶ湖があります。石村湖水公園の正式名称はもともと松坡渡し場公園(ソンパナルこうえん)で、昔の漢江の流れが残した湖を、散策路として整備した場所です。ふだんは地元の人の散歩道ですが、桜が咲く春には、ソウルで最もにぎわう花の道のひとつになります。
今の蚕室は、もともと漢江の中に砂が積もってできた中洲で、島の南側には松坡江(ソンパガン)という支流が流れていました。川辺には松坡渡し場と松坡の市場があり、人や物が行き交う場所でした。1969年に漢江の本流を整備した際に、この流れは埋め立てられましたが、一部は湖として残されました。この湖を1980年代初めに整備して公園にしたのが、今の石村湖水です。
湖の面積は21万7,850㎡、平均水深は4.5mです。中央を通る松坡大路を境に、東湖と西湖に分かれています。
2014年10月には、オランダ人アーティストによる巨大なゴム製のアヒル「ラバーダック」が1か月間、湖に浮かび、大きな話題になりました。その後も、湖の上で大型のインスタレーション作品の展示がたびたび開かれています。アイドルグループのメンバーの写真の背景として知られるようになり、海外のファンが訪れることもあります。