ソウルが2,000年前、百済の都だったという事実をもっともリアルに伝えてくれるのが、オリンピック公園にある漢城百済博物館(ハンソンペクチェパンムルグァン)です。地下の展示室には、百済の王城・風納土城の城壁の断面を実際に切り取ってきて立ててあり、土を幾重にも突き固めて積んだ城壁の中身を目の前で見られます。常設展示は無料なので、夢村土城(モンチョントソン)の散策とあわせて立ち寄るのにぴったりです。
百済は、678年の歴史のうち約493年のあいだ、現在のソウルの地に都を置きました。この時期を「漢城百済」と呼びます。松坡(ソンパ)・江東(カンドン)一帯には、風納土城や夢村土城、石村洞(ソクチョンドン)古墳群といった漢城百済の中心となる遺跡が残っており、ここから出土した遺物だけで数万点にのぼります。ソウル市は、これらの遺跡と遺物を一か所で見せようと、夢村土城を望むオリンピック公園内に博物館を建てて、2012年4月30日に開館しました。建物の形は、夢村土城の稜線と百済の船を思わせるように設計されています。
博物館を出て夢村土城の城壁の道を歩くと、展示室で見たばかりの土の城壁が実際にどんな姿をしているか、見比べられます。石村洞古墳群の階段状の積石塚も近いので、展示室で墓の模型を見てから実際の墓を訪ねる順番で回れば、漢城百済を1日で一通りたどれます。
博物館は、2010年10月に建物が完成したあと、遺物を運び込む準備を経て2012年に正式に開館し、2015年からはソウル市直属の博物館となりました。延べ面積は約1万9,423㎡で、地下3階から地上2階まで続いています。地下3階は遺物を保管する収蔵スペース、地下2階は教育スペースで、地下1階に企画展示室と常設展示室の一部、地上1階に常設展示室があります。大きな城壁の断面が地下1階から上へ高くそびえているので、フロアを上り下りしながら、さまざまな高さから城壁を眺められます。
博物館の講堂である漢城百済ホールでは、公演や映画上映などの文化プログラムも開かれます。博物館のすぐ隣には、芝生と森の中に彫刻作品が置かれたオリンピック公園の彫刻公園が続きます。
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