江華島(カンファド)の西の海を隔てて1.2km離れた島で、2017年に席毛大橋が架かって、車でそのまま入れるようになりました。海辺の崖の上の普門寺(ポムンサ)と眉岩(まゆいわ)の磨崖観音、引き潮のときに1km近くあらわれるミンモルの干潟、秋に赤く染まるシチメンソウの群落まで、ソウルから日帰りで行くのにぴったりの島旅の行き先です。
席毛島は今ひとつの島ですが、もとは複数の島でした。朝鮮の粛宗の時代に、干拓で北のソンガ島、南のメウム島とひとつになり、日本統治期には、南西のオユジョン島までつながりました。面積は約42.8㎢、海岸線は約41.8kmで、行政区域は仁川(インチョン)広域市江華郡三山面(サムサンミョン)です。島の中には、海明山(309m)・洛伽山(267m)・上峰山(316m)が連なっていて、登山客もたくさん訪れます。
長いあいだ、江華島の外浦里(ウェポリ)から船で渡る島でしたが、長さ1.41kmの席毛大橋が2017年6月28日に開通し、江華島の内可面(ネガミョン)と車でつながりました。
島の西、洛伽山のふもとにある普門寺は、新羅の善徳女王の時代の635年に、回廷(フェジョン)大師が建てたと伝わる寺で、韓国の三大観音聖地のひとつに数えられます。漁師の網にかかった石の塊を、夢で見たとおりに洞窟に祀ったところ、大きな福を授かったという伝説のある石室(天然の洞窟を利用した石窟の法堂)が、境内にあります。
寺の裏の急な階段を登ると、眉岩の下の岩壁に刻まれた磨崖観音菩薩坐像が現れます。1928年に、金剛山(クムガンサン)の表訓寺(ピョフンサ)の住職と普門寺の住職がいっしょに刻んだ高さ9.2mの仏像で、岩が眉のように仏像の上に突き出しています。ここから見下ろす西海の夕日が、席毛島を代表する風景です。境内の庭には、仁川市の記念物に指定された古いビャクシンがあり、大きな石臼も民俗文化遺産として残っています。
山が好きなら、島の東の海明山から洛伽山を経て、普門寺に下りてくる稜線の道もあります。歩いているあいだずっと、片側には江華島と海が、反対側には西海の小さな島々が見えます。
映画『イルマーレ』と『酔画仙』も、この島で撮影されました。