首都圏電鉄1号線の逍遥山駅(ソヨサンヨク)で降りて少し歩けば着く逍遥山(ソヨサン)は、「京畿(キョンギ)の小金剛」と呼ばれる岩山です。標高は587mと高くありませんが、とがった6つの峰が馬蹄形に連なっているため、稜線を一周する山歩きはなかなか手応えがあります。首都圏有数の紅葉の名山で、秋になると電車で来た登山客でにぎわいます。
山の名前は、朝鮮の学者徐敬徳(ソ・ギョンドク)、詩人で書家の楊士彦(ヤン・サオン)、そして金時習(キム・シスプ)がよくここを訪れ、散策した(逍遥した)ことに由来するといわれています。山のあちこちには、新羅の高僧元曉大師(ウォニョデサ)と瑤石公主(ヨソクコンジュ)にまつわる話が残っています。元曉が修行したという元曉窟や元曉の滝、瑤石公主の別宮があったとされる跡が、その名残です。朝鮮を建てた太祖・李成桂が晩年にここに行宮を建てて過ごしたという、行宮跡の話も伝わっています。
逍遥山は1981年に国民観光地に指定され、2002年には山林庁が選んだ韓国百名山にも入りました。
自在庵は、974年に高麗の光宗の命で覚圭大師(カッキュデサ)が再興し、1153年に火災で焼けたあと、翌年に覚霊禅師(カンニョンソンサ)が大雄殿と僧坊の一部を再建したと伝えられています。朝鮮の高宗の時代に3棟が復元されましたが、朝鮮戦争でふたたびすべて焼失し、今の建物はその後に新しく建てられたものです。古い建物は残っていませんが、岩の断崖や洞窟をそのまま取り込んで建てた寺なので、雰囲気が独特です。元曉窟からは階段を上ることになりますが、階段のあちこちに良い言葉が書かれているので、のんびり読みながら登るのにぴったりです。寺まで続くモノレールは物資を運ぶためのもので、人は乗れません。自在庵という名前は、元曉が修行中に観音菩薩に出会い、「自在無礙」の境地を得たという話に由来するといわれています。