済州(チェジュ)の西の端、翰京面(ハンギョンミョン)高山里(コサンリ)の海辺にそびえる、高さ77mの低いオルム(岳)です。オルムとは、済州に点在する小さな火山の丘のことです。峰は平凡に見えますが、下の海岸の崖には、約1万8千年前の火山の噴火で積もった火山灰の層が縞模様のように現れていて、火山を学ぶ人たちにとって教科書のような場所だといわれます。頂上からは、車帰島(チャギィド)と、西の海に沈む夕日が正面に見えます。
水月峰は、地下から上がってきたマグマが水に出会って激しく爆発する水成火山の活動によってできたタフリング(凝灰環)です。城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)、松岳山(ソンアクサン)とともに、済州を代表する水成火山に数えられます。爆発のとき、火山ガスと火山灰、岩石のかけらが混ざった流れが地表を素早く広がりながら、何層にも積もりました。これをベースサージといいます。海がオルムの西側を削ったことで、その断面が海岸の崖にそのまま現れました。
この地層は、2009年12月11日に「済州 水月峰火山砕屑層」という名前で天然記念物に指定されており、済州世界ジオパークの名所でもあります。
頂上には、昔、雨乞いの祭祀を行っていた六角形の東屋水月亭と、高山気象台があります。東屋に座ると、すぐ目の前の海に浮かぶ車帰島と、遠くの山房山(サンバンサン)、晴れた日には漢拏山(ハルラサン)まで見えます。名前の由来は2つ伝わっています。ひとつは、水月という号を使った高志男(コ・ジナム)を称えて1910年に建てた碑に由来するという説、もうひとつは、鹿苦(ノッコ)と水月の兄妹の伝説に由来するという説です。そのため、昔は「ノッコムルオルム」や「スウォリオルム」とも呼ばれていました。峰の周りには済州でもっとも広い野原である高山の野が広がり、山裾のあちこちで湧く湧き水は、薬水として知られています。
火山灰が積もった地層はもろく、落石が頻繁に起こります。2024年4月17日には、海岸の散策路の北の入口付近で崖の一部が崩れ、オンアル海岸の散策路が通行止めになり、その後も一部区間で規制が続いています。崖の下に近づいたり、規制線を越えたりしないで、訪問前に規制区間を確認してください。