莞島の南の海に浮かぶ甫吉島には、朝鮮の詩人孤山 尹善道(ユン・ソンド)が10年あまり暮らしながら自ら手入れした庭園が残っています。谷川の水をせき止めて池をつくり、岩をそのまま生かして東屋を据えた甫吉島 尹善道園林は、朝鮮時代の別墅庭園(ピョルソジョンウォン、別荘庭園)を代表する場所とされ、国の名勝に指定されています。「漁父四時詞(オブサシサ)」が詠まれたまさにその風景のなかを歩くことができます。
尹善道(1587〜1671)は海南(ヘナム)に滞在していたとき、丙子胡乱の知らせを聞いて江華島まで駆けつけましたが、仁祖(インジョ)はすでに南漢山城(ナマンサンソン)で降伏したあとでした。世を捨てて済州島へ向かう途中、彼は甫吉島の景色に心を奪われ、この地にとどまったと伝えられています。
1637年から何度も島を行き来し、合わせて13年近く滞在しました。その間に谷の地形を生かして、暮らしと遊びと憩いの場を順々に整えていきました。彼はこの谷の地形が、蓮のつぼみがほころんで咲くようだとして芙蓉洞(プヨンドン)と名づけました。園林は1992年に史跡に指定され、2008年に名勝として改めて指定されました。
園林は大きく3つの区域に分かれています。