江陵(カンヌン)駅から10分余り歩くと、花釜山(ファブサン)の斜面に沿って瓦屋根が段々に上っていく大きな郷校が現れます。江陵郷校は、成均館(ソンギュングァン)を除けば地方の郷校のなかで規模が最も大きいとされ、朝鮮戦争のときも焼けずに残ったため、朝鮮時代の姿をほぼそのまま伝えています。大成殿と明倫堂、東廡・西廡がすべて宝物に指定されています。
郷校は、孔子や儒学者を祀り、地方の学生に儒学を教えていた国の教育機関です。江陵郷校は、高麗の1313年(忠宣王5年)に初めて建てられ、1411年に焼けたあと、1413年に再建されました。その後何度も修理・拡張され、仁祖の時代に今のような壮大な規模が整いました。今は教える機能はなくなり祭祀だけが続いていますが、郷校は今も自ら設立した明倫高等学校を運営しています。
江陵郷校は、下側に学ぶ空間、上側に祭祀の空間を置く前学後廟の配置です。
大成殿は1963年に宝物となり、明倫堂と東廡・西廡・前廊は2020年12月に宝物として一緒に指定されました。毎年、春(旧暦2月)と秋(旧暦8月)に、孔子と儒学者を称える釈奠大祭が行われます。朝鮮戦争のときに所蔵していた書籍の大部分は焼け、『孔夫子聖蹟図』など70冊余りだけが残っています。