始華湖(シファホ)の南、どこまでも広がる葦原のあいだに、赤い岩の島々がそびえています。この岩から恐竜の卵の化石がたくさん見つかり、今は木のデッキの道を歩きながら本物の卵の化石をのぞき込めます。始華湖の防潮堤ができるまで潮が出入りしていた干潟だった場所なので、恐竜の痕跡と消えた海の痕跡を一度に見られる、特別な散策路です。
この地層は、中生代白亜紀、約8,300万〜8,500万年前に積もった堆積層です。始華湖の干拓地ができる前は島だった6〜7か所の岩場で、恐竜の卵の化石と巣が見つかりました。縦横50〜60cmの巣20あまりから、巣ごとに5〜6個、多いと12個の卵が出て、これまでに確認された卵は180あまりにのぼります。世界的に恐竜の卵の化石は大半が中国とモンゴルで出るため、これほど多くの卵が一度に見つかるのはめずらしいことで、2000年に天然記念物に指定されました。
恐竜の卵の化石は、ふつうこぶしより小さい楕円形で、直径11〜12cm、大きいものは14cmほどです。赤い堆積岩の表面に丸く埋まった灰色の断面を見つけたら、それが卵の殻です。ぱっと見ると小石と区別しづらいので、案内板の写真と見比べながら探してみてください。卵の化石のほかにも、茎に節のある沼地のアシのような植物の化石や、生き物の痕跡化石もたくさん出ており、このあたりは約1億年前に恐竜が暮らしていた水辺だったと考えられています。
ビジターセンターの隣の入り口デッキから始まる探訪路は長さ1,527mで、一周するのに1時間ほどかかります。葦が茂る昔の干潟の上にデッキが続き、途中に展望デッキがあります。道の終わりでは、かつて島だった岩の丘のあいだに、卵の化石が姿を現した場所を見られます。化石産地全体の面積は15.9km²にのぼります。
ビジターセンターの2階建ての建物には小さな展示室があり、化石産地のほか、華城の炭島防潮堤(タンドバンジョジェ)で骨の化石が見つかり、2011年に名前が付けられた角竜コレアケラトプス・ファソンエンシスが紹介されています。
今、デッキの道の周りに広がる草原は、もともと潮が出入りする干潟でした。始華湖の干拓で水が引いて底があらわになり、そのおかげで昔の島の岩に埋もれていた卵の化石も目につくようになりました。探訪路の案内図には、上ハンヨム、中ハンヨム、下ハンヨム、無名島など昔の島の名前が記されていて、ここが海だった時代を思い起こさせます。今も泥に覆われた場所を取り除けば、さらに多くの卵が出てくるとみられています。
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