潭陽(タミャン)の古西面(コソミョン)、後山(フサン)村の奥、小さな谷間に隠れるように佇む朝鮮時代の庭園です。四角い池を古いサルスベリがぐるりと囲んでいて、花が咲く真夏には池の上に薄紅色の花びらが散り、東屋の板の間からその景色を見下ろせます。2009年に国の名勝に指定されており、入場料はかかりません。
ここは朝鮮中期の学者鳴谷 呉熙道(オ・ヒド、1583~1623)が、自然を友として過ごした場所です。呉熙道は学問で名を知られた人物で**、仁祖**(インジョ)が3度も訪ねて官職に就くよう勧めたものの、年老いた母を養わなければならないと辞退したという話が伝わっています。
彼の死後、四男の呉以井(オ・イジョン)が父の志を継いでこの地に隠れ住み、東屋を建てました。そして東屋の前後に四角い池を掘り、松とサルスベリを植えたのです。小川の水が上の池を満たしてから下の池へと流れていき、その水音が玉のぶつかり合う音のようだということから、東屋は鳴玉軒(ミョンオッコン)と名づけられました。
潭陽には、瀟灑園、息影亭(シギョンジョン)、俛仰亭(ミョンアンジョン)など、朝鮮時代の学者たちが建てて詩を詠んだ東屋や庭園が際立って多くあります。その中でも鳴玉軒は、池と花木が庭園の中心となっているため、季節によって表情が最も大きく変わります。
鳴玉軒は、ドラマ「雲が描いた月明かり」で、2人の主人公が初めて出会う場面が撮影された場所でもあります。花が見頃を迎えると、全国から写真愛好家が詰めかけ、早朝から三脚を立てています。