慶州(キョンジュ)・安康(アンガン)の渓谷沿いにたたずむ朝鮮時代の書院です。玉山書院(オクサンソウォン)は、性理学者の晦斎 李彦迪(フェジェ・イ・オンジョク)を偲んで建てられた場所で、安東(アンドン)の陶山書院(トサンソウォン)とともに、嶺南(ヨンナム)地方を代表する書院とされています。広い岩の上を水が流れ落ちる渓谷と古い建物が調和しており、2019年に「韓国の書院」としてユネスコ世界遺産に登録されました。
晦斎李彦迪(1491〜1553)は、官職を退いたあと、故郷の良洞村に近い玉山の小川のほとりに家を建て、性理学の研究に没頭しました。彼の学問は退渓 李滉(トゥェゲ・イ・ファン)に受け継がれ、嶺南学派の性理学の先駆けとなりました。彼が亡くなったあとの1572年、慶州府尹の李斉閔(イ・ジェミン)がこの場所に書院を建て、翌年の1573年に宣祖(ソンジョ)から「玉山」という名前を授かり、賜額書院となりました。
玉山書院は、1871年に興宣大院君が出した書院撤廃令でも生き残った47か所の書院のひとつです。おかげで、李彦迪の著書や歴代の名筆の書、貴重な書物が今もよく残っています。国内でもっとも蔵書の多い書院のひとつとされ、1967年に史跡に指定されました。
書院から渓谷に沿って少し離れたところに、李彦迪が暮らしていた家の客間棟である独楽堂(トンナクタン)があります。1516年に建てられた建物で、脇の塀に格子窓を開けて、大庁から小川を眺められるようにしました。裏手の東屋渓亭(ケジョン)も渓谷に接しています。独楽堂は常時開放、無料です。