慶尚南道(キョンサンナムド)咸陽(ハミャン)郡旨谷面(チゴンミョン)の開平韓屋村(ケピョンハノクマウル)の中、一蠹 鄭汝昌(チョン・ヨチャン)の古宅の向かいにあるソルソンジュ文化館は、この村の家醸酒「ソルソンジュ」(松の酒)を紹介し、味わえる韓屋の空間です。松葉と松の新芽を入れて醸すソルソンジュは、河東鄭氏(ハドンチョンシ)の家で代々、嫁に受け継がれてきたお酒で、現在は食品名人がその技を引き継いでいます。古宅が並ぶ村を散策しながら立ち寄って、お酒の話を聞いて一杯味わうのにぴったりの場所です。
ソルソンジュは、朝鮮時代の名高い両班の村だった開平の河東鄭氏の一族が醸してきた家醸酒です。お酒の造り方は姑から嫁へ受け継がれ、この家の嫁である朴興善(パク・フンソン)名人が姑から伝授されて継いでいます。朴興善名人は、慶尚南道無形文化財第35号の技能保有者であり、2005年に大韓民国食品名人第27号に指定されました。ソルソンジュは、2007年の南北首脳会談の公式晩餐酒、2008年のラムサール総会、2019年の韓国・ASEAN特別首脳会議の乾杯酒としても使われました。
早春に村の裏山の松林から最も香りのよい松葉を、晩春には勢いの盛んな松の新芽を摘み、一度蒸して渋みを抜きます。米粥と麹でつくった酒母に、蒸した松葉と松の新芽、ぱらりと蒸した固ごはんを入れて均等に混ぜ、3日ほどたったら温度を下げて、3週間ほどゆっくり発酵させます。最後に澄んだお酒を濾すと、ほのかな松の香りのソルソンジュができあがります。ソルソンジュを蒸留した40度のダムソル、高麗時代によく飲まれたというお酒を復元したノクパジュも、ここで味わえます。
開平村は、「左は安東(アンドン)、右は咸陽」という言葉が生まれるほど、多くの儒者を輩出した村です。朝鮮の性理学者一蠹 鄭汝昌の故郷で、彼の家である一蠹古宅(国家民俗文化財)をはじめ、築100年を超える韓屋が60軒余り残っています。ドラマ『トジ(土地)』『タモ(茶母)』『ミスター・サンシャイン』のロケ地としても知られています。
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