束草(ソクチョ)市街の北、自然の潟湖(ラグーン)である永郎湖(ヨンナンホ)の南西の水辺に、大きな花崗岩の塊が寄り集まった岩の丘があります。うずくまる虎に似ていることから虎岩(ポムバウィ)と呼ばれ、束草市が選ぶ「束草八景」の第2景です。入口から5分ほど歩いて登ると、湖と東海(日本海)、雪岳山(ソラクサン)の稜線が一度に見渡せるので、短い時間で束草の山と海を一緒に楽しみたいときにぴったりです。
永郎湖は、海と砂州にはさまれてできた潟湖で、周囲は約8km、面積は約1.2km²です。名前は、新羅の花郎(ファラン)永郎に由来します。『三国遺事』には永郎がこの湖を見つけたという記録が伝わっており、湖と岩の景色に魅せられてしばらく滞在したという話もあります。虎岩は湖の中ほどの南西の岸に、半ば水に浸るように座っています。実際に登ってみると、1つの岩ではなく、いくつもの大きな岩が集まってできた岩群だと分かります。
虎岩は、どこから、どのくらい離れて眺めるかによって形が変わります。近くで見ると体を低くした虎のようですが、湖の対岸から眺めると、斜めに横たわる女性の姿になるといわれています。昔このあたりは森が深く人影もまばらで、虎が歩いていたという言い伝えもあります。
岩には伝説も絡んでいます。罠にかかった虎を助けた旅人に、虎が薬草を探してきて病気の妻を治してくれました。旅人はそのお礼に、舟をこいで虎に食べ物を運んだそうです。ところが、それをねたんだ欲深い者が舟に細工をして、旅人は水に落ちて亡くなりました。虎はその者を襲ったあと、旅人を待ち続けてその場で息を引き取り、岩になったと伝えられています。
虎岩を見たら、永郎湖を一周してみるのもおすすめです。湖畔に沿って遊歩道が続いており、距離は資料によって7km台から8kmまで、少しずつ異なって紹介されています。水辺にはデッキの区間があり、ベビーカーや小さなお子さんと一緒でも歩きやすいです。湖畔のあちこちに休憩所もあるので、のんびり歩けます。虎岩から眺めた景色を、今度は水辺から見上げることになるので、同じ岩がどれほど違って見えるか確かめてみるのも楽しみのひとつです。
訪問前に最新情報をご確認ください。